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四国の社会起業家と協働/四国新聞

本日(2010.4.21)の四国新聞に,ソーシャルベンチャーズ四国(SVS)に関するインタビュー記事「四国の社会起業家と協働」をご掲載いただきました.

SVSの活動をはじめてから1年ほどになります.いつの間にか素晴らしい仲間が増え,ネットワークが広がりつつあります.多くの方々から沢山のご支援やご協力を頂いていることに心から感謝申し上げます.そしてこれからも是非多くの方々にご関心を持って頂き,一緒に地域を元気にしていければとうれしいなと思っています.SVSで一緒に活動してみたいという方,とりあえず興味があるという方,是非ご連絡ください.メールはこちらから.

また,詳しいご案内は改めていたしますが,5月22日にはSVSの第1回目の公開シンポジウム(名称はまだ未定です)を行います.とても素敵なゲストをお招きしますので,是非お楽しみに.

組織変革の難しさ

私が以前からずっと知りたいと思って探求していることの一つは,人間が形成するシステム(集団,企業組織,地域社会等)をよりよい方向へと変革することが出来る理論と方法でした.ここ数年間の研究や,多くの方々との出会い,実験と実践を通じて少しずつ様々なことがわかってきましたが,今でもまだまだわからない点は多々あります.そもそも人間の形成するシステムは,循環的な因果律になっており,その挙動は極めて複雑であるため予想や制御の出来ない深遠なものです.

明らかであるのは,人間がシステムに何らかの認識や視点を持ち込み,場を形成し,人々と対話し,何かが生成されるプロセスを促進したり運営したりすることは出来るということです.

人間や人間同士の相互作用によって生み出されやすいパターン,構造に関する知識は大変有用ですが,それらの知識が機械操作のボタンのように活用できるわけではありません.変革を生成しようとする人間自身も,変革対象となるシステムの一部に組み込まれざるをえないため,そこには自己言及の問題(cf.エピメニデスのパラドクス)が及ばざるを得ません.つまり,正しい知識が何であるのか,何を変えるべきであるのかが確定しない混沌からスタートせざるをえません.

このパラドクスや混沌は,常に何かを生み出す初期状態として存在し,そこを抜けて創造的な方向に向かえるかどうかは,人間が自分自身をも含めたシステムをどこまでメタ認知できるかという高度な抽象化能力が大きく関係してきます.この能力は単純に知識量によってカバーされる問題ではなく,実際にメタ認知することができるかどうかの問題になります.私が,人間システムへの認知能力を高めるために内省経験が不可欠であると考える理由の一つは,この点です.

私はこれまで経営者3,500名以上のデータを集め,優れたリーダーの多くは内省経験が多く,メタ認知能力に長けていることを実証してきました.その結論から含意されることの一つは,結局,人間は,特に人間システムに対しては経験的なリアリティを持てるレベルまでしか認知することが難しいようだということです.見えているものだけにリアリティを感じ,見えていないものがあること自体には気づかない,だから見えないものを見ようとしないという循環は強く働くのが通常ですから,内省をすることは極めて大きな冒険になります.

先に,「明らかであるのは,人間がシステムに何らかの認識や視点を持ち込み,場を形成し,人々と対話し,何かが生成されるプロセスを促進したり運営したりすることは出来るということです」と書きました.確かに理論的には出来るのですが,これは直線的にA地点からB地点に行くというイメージではなく,もっと山あり谷ありの冒険をするようなイメージが近いでしょう.人々が共に内省し,対話によって互いを写し合いながら創造するプロセスが,冒険的にならないはずがありません.多くの場合,怒りや反発,対立とも無縁ではないプロセスです.このプロセスに関わる人間には,どこまで自分自身をも含めた人間システムを見つめ,自分自身をシステムの中で開くことが出来るのかが問われ,求められると思います.つまり,現時点における私自身の結論としては,内省と対話が組織変革の鍵を握るのだと考えています.

私は研究者でもありますが,そのようなプロセスを多くの方々と共に歩み,生み出す実践家でもありたいと思っています.

日経トップリーダー 3月号・4月号 修羅場の後継学

日経トップリーダーの4月号が発売になりました.4月号には「修羅場の後継学  父に認めてもらおうと新規事業に進出し失敗」を寄稿しています.また,1ヶ月前になりますが3月号にも同じく「修羅場の後継学 父が突然、脱同族経営を宣言」を寄稿しました.今回は,特にファミリービジネスで起こりやすい父と子の葛藤から生じたリアルな修羅場のストーリーです.



振り返ると去年の4月から連載を開始してあっという間に1年以上が経っていました.編集部の方からも読者の方からの反響がよいということで,実は当初3ヶ月のお約束でスタートした連載でしたが延長を繰り返して1年間続けることになりました.この間,何度も取材のために北から南まで全国を出張してきました.読者の方々からのご感想のメールや,事業承継やリーダーシップについて話し合いたいので是非お会いしたいと書いて下さったメールも何通も頂き,とてもうれしかったですし,ネットワークを広げることも出来ました.

経営者の友人やコンサルタントをしている友人の中には,八木 が連載をはじめたのをきっかけに日経トップリーダーを読み始めてくださった方も何人かいらして,よくポジティブなフィードバックや修羅場情報を頂きました.これらもいつも励みになっています.当たり前のことかもしれないのですが,単に「見たよ!」とか「面白かった!」みたいな短いものも含めてフィードバックを頂けることがこんなにうれしいものだと実感し,私も負けじとフィードバックするようになりました.

修羅場に関する個人的な経験を語って頂く取材で大変な点は,やはりそういう経験を持った方々に出会うための事前の情報収集だと思います.取材をさせて頂いても,記事としてまとめるには修羅場の程度がそれほどではなかったりすることもありますし,ご自身の修羅場を語りたがらず取材をお断りになる方もいらっしゃいます.連載をはじめてから「いい修羅場ないかな?」とアンテナを張り巡らせる修羅場ハンターになっていますが,そうそう頻繁に出会えるものでもなく,修羅場のお話を聴かせて頂けるとお宝に出会ったようにうれしくなります.取材に応じてお話しして頂いたに方々も,それまであまり人に語っていなかったことを言葉にしてアウトプットすることで新たな視点を得られる方が多く,ストーリーテリングの効果が大きいことを感じます.

今年はこれまでにないほど早い仕事のペースになっているので,あとどれくらい修羅場ハンターを続けられるかわかりませんが,続けられる限りは楽しんでやっていきたいと思います.これからもご感想やご意見,取材に関するご依頼等,楽しみにお待ちしております.メールはこちらからお願いいたします.

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